はじめに
自己開示1です。まず,これから書く内容を見て,フラッシュバックされる方がいるかもしれません。正直なことを言うと,貴方がフラッシュバックした場合,その責任は一切私にあるのにも関わらず,現実的にその非を真っ当な形で負うことはできません。しかし,これもポイントなのですが,私たち(私も含め)トラウマサバイバーは真実に直面した時,フラッシュバックします。真実は時に残酷で直視することを避けたくなるようなことばかりかもしれません。しかし真実の絶対的価値を私は信じています。真実の知こそが私たちを有力化し,有意味化し,自分が社会や個人を知っている,力を及ぼすことができるという感覚を養うのです。ですので,私はこのページにたどり着いた人へのリスペクトと共に,もしフラッシュバックしたら本当にごめんなさい。でも断っておきたいのは,あなたのフラッシュバックは,あなたの事ではあっても,あなたの「せい」ではないということ。ちょっと脱線しますが,私はこのように(特に治療関係では),「知ること(トラウマ探求)」への覚悟とリスペクトがとても大切だと感じています。
さて,自己開示
今日書くことの本題は,私が性別違和があります(診断は下ってないですし,そんなこと医師に相談してませんが)。私はは男性なのですが,男性性に対する強い嫌悪感があります。これだけで,一部の界隈からは差別と偏見がワーワーと聞こえそうですが。ちなみに私は統合失調感情障害,PTSD,境界性パーソナリティ障害もり患しています。
まず,経緯を言いたいと思います。第二次性徴が起きている中学生時代の頃でした。中学生のころまでは自分の陰茎は尿を垂れ流す役目しか持ってないと思っていました。しかし,その幻想というか誤認は壊れました。最初に夢精がおきることが多いのかなと思いますが,私もそれでした。最初は「うわー、なんか変なの」って思ってました。そして性的快感のために私は自慰行為をするようになりました。ある中学生の一時,自慰行為をしていると,雷が落ちたかのように気持ち悪さと違和感と覚えたのです。その時はここまで言語化できなかったですが,女性を性的対象化することが女性の人権をいかに蝕むかに対する意識が芽生えたのだと思います。それから自慰行為をするのがすごく嫌になりました。気持ち悪かった。
高校生の時、、、
高校生の時,ある男の教員に,私は本気で悩んでいて相談をしたのです。そうしたら,「私の昔の友達なんて,一日に五回くらいしてたよ(笑)」と返されました。なんというかこれじゃない。今思うと,「今困っているのは私であって,他人の男の性事情なんて知らねぇよ!!ふざけてんのか!!二次加害だろ!!」って感じです。そういうこと,沢山言われてきました。
困ること
・自分の精液を見ると気持ち悪くなる。吐きそう。
・精液に似たものが嫌になる。(例:ヨーグルト,シャンプー,牛乳とか)
・男性に対する嫌悪感。男性と話すと性被害を受けるのではという不安。単純にくそ野郎が多い。
・性行為が普通?の男性のようにできない。
・自分の性的同一性の不安定さ
・女性の身体的特徴に魅力を感じることに罪悪感や恥辱観を感じる。
など
私が思うこと
私は男性性にはある特徴があると思います。その一つに責任回避性と加害性があると思います。責任回避性について。まず男性は同意があろうとなかろうと,男性は妊娠せず,女性が最終的に妊娠する仕組みです。男性は現状,いくらでも逃げれます。ふざけんなと思ってます。それが責任回避性。それを前提として,彼らは自分の性的快楽だけのために女性を利用します。それは自慰行為であれ性的虐待であれ,ある程度女性を性的対象化しているのであれば,そこには加害性が伴います。というように生物学に男性は支配的だと思っています。
私はトラウマ治療の研究をしています。現在ジュディス・ハーマン先生の「Truth and Repair」を翻訳中ですので,その一節を紹介して締めたいと思います。
「私が最初に『心的外傷と回復』の中で、忘れられたトラウマの歴史を書いたとき、トラウマを負った人々の苦しみは、個人の心理の問題であるだけでなく、常に社会正義の問題でもあると主張した。トラウマの根源にある暴力は支配と抑圧を目的としているため、トラウマを認識し、それに名前をつけるには、世俗的な民主主義のため、奴隷制の廃止のため、女性の解放のため、戦争の終結のためといった、広範な人権社会運動の歴史的背景が必要となる。米国で心的外傷後ストレス障害が正当な診断名として認められたのは、ベトナム帰還兵がホワイトハウスのフェンス越しに勲章を投げ捨て、無事に帰還しても心の中では永遠にベトナムにいるのだと証言した後である。性暴力が世界的な大厄災として認識されるようになったのは、女性解放運動で女性たちが声を上げ、レイプ、暴行、近親相姦といった日常的な隠れた犯罪を証言してからである。(pp1)」
ご感想お待ちしております。
TwitterのDMでもいいですし,sinri.info0225@gmail.comへどうぞ